凧はなぜ空を飛ぶ?
「どうして凧は空に揚がるんだろう」「せっかく作ったのに、全然揚がらない」
今回は凧が揚がる仕組みについて、簡単に説明していきます。
凧が揚がるとは?
"凧が揚がる"と表現するときに、二段階あります。
凧を自分で作ったことのある人は、「揚がるには揚がるが、すぐに落ちてしまう」といったことがあるのではないでしょうか。
これは、①は達成して空へ向かったが、②を満たせず、すぐに落下してしまっている状態です。
1. なぜ凧は空へ飛んでいくのか?
まず、地球上のものはすべて重力の影響を受けています。なので、木からリンゴが落ちるように、何事もなければ地面に向かいます。上方向に動くことはありません。
しかし、鳥や飛行機、凧は地面から離れ、空中を飛んでいます。それは、下向きの重力の力よりも大きな、上向きの力が働いているからです。
この上向きの力を「揚力」と呼んでいます。
重力に勝る揚力が発生すれば、物体は空へ飛んでいきます。凧も、揚力が発生しているから上空へ飛んでいきます。
ではなぜ、揚力は発生するのでしょうか。
まず物体が凧に衝突することを考えます。
これでは上方向の力は働かず、凧は横に移動するだけです。
次に、斜め45°傾いた凧に衝突することを考えます。
今度は、凧は右斜め上に移動することでしょう。これにより空へ飛んでいきます。
この上向きの力が凧に働く重力よりも大きければ、凧は空へ飛んでいくことになります。
これが最も簡単な説明だと思われます。
2. 凧はなぜすぐに落ちてしまうの?
しかしこの説明は、凧は変形せず、風も一様に吹いているという理想的な状況での話です。実際には凧は風によって変形しますし、風もダイナミックに生き物のようにうごめきます。
先ほどの例でも、例えば、風向きが少し上から下方向に吹いただけで、凧は下向きに力を受け、すぐさま落下します。
また、風が一様であっても、凧の形が変形するだけ揚力を失います。
上記は少し極端な例ですが、このように風の向きや凧の変形によって、凧に働く力が簡単に変わってしまい、揚力を生み出せなくなります。
このせいで、凧が落ちてしまうというわけです。
凧を安定して飛ばすには?
安定して揚がる凧を作るには、「どんな風速、風向きの風が吹いても、凧が揚力を得る構造を持つ凧」を作らなければなりません。
しかしそれは、凧の形や作り方、材料によって敏感に違ってきます。ですので、すべての凧について「こうすれば安定して飛ぶ!」という特効薬のようなものは存在しません。
ですが、すべての凧について、とりあえずこれをやっておけば安定度は上がるという市販薬のようなものはあります。
それは、しっぽを付けることです。
こうすることで、凧がバランスを崩してくるくる回転してしまうのを防ぐ役割があります。
特別なしっぽでなくても、適当な紙をしっぽにしてテープで貼り付けるだけでも、効果を十分に発揮します。
複雑な凧が飛ぶ原理
今回は、凧はなぜ揚がるのか?という疑問に答える簡単な内容を紹介しました。
実は凧が揚がる原理については、大変複雑であり、体系化されていません。職人の感覚によるところが大きいです。
もっと厳密な原理については、また別の記事で紹介します。
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